

先生、授業中は寝ているのにテストになると点を取る人っていますよね。あれは脳に「授業スキップ機能」があるんですか?

そんな便利機能があるなら先生も欲しいよ(笑)。先取りや家での勉強で点を取れる人はいるけれど、それだけで授業態度が問題ないとは言えないんだ。

じゃあ、テストの点と授業態度は別々に考えるんですね。

その通り!まず「成績」がテストの点なのか通知表なのかを分けると、疑問がすっきりするよ。
【今回の真実】
授業態度が悪くても、先取りや家庭学習によってテストで高得点を取ることはあります。ただし、点数と通知表の評定は同じものではありません。今の得点を本当の学力へ育てるなら、授業を「知っている内容の確認と深掘り」に使い直しましょう。
①授業態度が悪くても成績がいいことはある
②なぜ点が取れる?考えられる4つの理由
③通知表はどうなる?態度と評定を分けて考える
④点が取れていても授業態度を直したほうがいい理由
⑤授業態度を変える3ステップ
⑥周りにそんな人がいるときの考え方
①授業態度が悪くても成績がいいことはある
結論から言えば、授業態度が悪そうに見える人がテストで高得点を取ることはあります。
ただし、ここで最初に分けたいのが「成績」という言葉です。
●定期テストや小テストの点数
●通知表に載る5段階などの評定
●模試の偏差値や順位
これらはすべて成績と呼ばれますが、測っているものは同じではありません。

今回の疑問でまず答えられるのは、授業中の行動がよくなくても、テスト範囲の問題に正解できれば点数は取れるということです。
高得点は、そのテストで問われた内容を正しく答えられた証拠です。
一方、それだけを見て「地頭だけで取った」「学校では何もしなくてよい」とまでは判断できません。
その人が見えないところで何をしているかは、周りからは分からないからです。
②なぜ点が取れる?考えられる4つの理由

では、なぜ授業を聞いていないように見えても点を取れるのでしょうか。
理由を4つに整理します。
学校より先に学んでいる
塾や家庭学習で予習していて、学校の内容をすでに理解している場合があります。
授業中に初めて習う必要がないため、本人は退屈に感じてしまうわけです。
家では勉強している
学校では気を抜いていても、テスト前には集中して勉強する人もいます。
授業中の姿しか知らない友達から見ると、「何もしていないのに点が取れる人」に見えます。
覚えることや問題の型をつかむのが速い
短い期間で語句を覚えたり、よく出る問題の解き方をつかんだりするのが得意な人もいます。
ただし、一度のテストで取れたことと、数か月後にも説明して使えることは別です。
「態度が悪い」の中身が曖昧
先生を見ない、あまり挙手しない、姿勢が崩れているという見た目だけで、周りが「態度が悪い」と感じていることもあります。
逆に、私語で説明を止める、友達へちょっかいを出す、指示された活動をしないという行動なら、教室全体に影響する問題です。
同じ「授業態度が悪い」でも、静かに聞いているように見えないことと、他人の学習を妨げることは分けて考えましょう。
③通知表はどうなる?態度と評定を分けて考える
「テストがよければ通知表もよいの?」という疑問には、一律の数字では答えられません。
学校の学習評価では、学習状況を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点で捉えます。

ここでいう「主体的に学習に取り組む態度」は、礼儀正しく見えるか、挙手を何回したかだけを採点する欄ではありません。
文部科学省の資料では、粘り強く取り組もうとする面と、自分の学習を調整しようとする面の両方を見ると説明されています。
つまり、「先生の前でよい姿勢を演じれば上がる」「一度居眠りしたら下がる」という単純な仕組みではないのです。
ノートやレポートの記述、授業中の発言、学習する様子など、教科と学校が定めた複数の材料から評価されます。
一方で、課題に取り組まない、振り返りを空欄にする、グループ活動へ参加しない状態が続けば、学び方を示す評価材料も十分に残りません。
自分の評定が気になるなら、ネットの予想表より、学校から配られた評価方法を見ましょう。
聞くべきなのは「態度が悪いから何点引かれますか」ではなく、どの観点のどの学習行動を改善すればよいかです。
④点が取れていても授業態度を直したほうがいい理由

テストで点が取れていると、「困っていないのだから、このままでよくない?」と思いますよね。
でも、点が取れている今こそ、授業の使い方を変える価値があります。
指導していると、塾で先取りした単元を「もう知っている」と流し、学校の説明をほとんど聞かない生徒がいます。
ところが答案を見ると、基本問題はできても、途中の説明や記述で求められた条件を落としていることがあります。
これは特定の一人の話ではなく、指導現場で見られる傾向です。
学校の授業には、先生が重視する考え方、友達の別解、自分では気づかなかった質問が出てきます。
知っている内容なら、授業を休む時間ではなく「自分の理解に穴がないか確かめる時間」にできます。
また、私語で授業を止める、友達の集中を切らす、先生の指示を無視して活動に参加しないとなれば、単なる「見た目の態度」では済みません。
点数が高いこと自体は立派ですし、まずそこは胸を張ってよいところです。
ただ、同じ教室で学ぶ人への配慮は別の話です。
今の得点を言い訳にせず、力があるからこそ周りを邪魔しない使い方を選びたいところです。
⑤授業態度を変える3ステップ
「明日から真面目にする」だけでは、何を変えるのか分からず長続きしません。
直し方は3ステップです。

ステップ1 悪いと言われた行動を一つにする
居眠り、私語、内職、遅刻、課題を始めないなど、先生に注意された場面を具体的に書きます。
「態度」という性格の話にせず、変えられる行動へ直すのがポイントです。
ステップ2 その行動が出る理由を確かめる
内容が簡単すぎるのか、分からなくて諦めているのか、夜更かしで眠いのか、友達との会話を切れないのかを考えます。
原因が違えば対策も変わります。
眠気や気分の落ち込みが続くなら、根性で隠さず保護者や先生へ相談してください。
ステップ3 代わりの行動を一つ決める
授業が簡単なら、先生の説明と自分の解き方の違いを一つメモする。
分からないなら、分からなくなった最初の行へ印を付ける。
私語が出るなら、話したくなったことをメモして休み時間に回す。
態度をよく見せるのではなく、授業から一つ多く持ち帰れる行動へ置き換えましょう。
⑥周りにそんな人がいるときの考え方

もし気になっているのが自分ではなく同級生なら、その人を「天才」「ずるい」「性格が悪い」と一言で決めないことです。
見えていない場所で勉強しているかもしれませんし、授業中に困っている事情があるかもしれません。
一方、私語やちょっかいで自分が集中できないなら、我慢し続ける必要もありません。
本人を責め合うより、席や授業中の困りごとを先生へ具体的に伝えましょう。
「あの人は態度が悪い」ではなく、「説明中に何度も話しかけられて聞こえない」のように、起きた行動を伝えると相談しやすくなります。
テストの点がよいことは、その人の努力や力として認める。
同時に、周りの学びを妨げる行動は別問題として直す。
この二つを混ぜない見方が大切です。
あなた自身が「点は取れるから授業は適当でいい」と思っていたなら、明日の授業で一つだけ持ち帰るものを決めてみてください。
高得点を一度取る力から、初めて見る問題にも説明つきで答えられる力へ進めますよ!




「今の3観点で弱いのはどれですか?」
「その観点は、どの課題や活動で見ていますか?」
「次は何ができると改善が伝わりますか?」