

高3の英語、単語も文法も長文も全部やらなきゃと思って、机の上だけは受験生らしくなりました!

教材の山が完成したんですね(笑)。でも、英語は冊数よりも「何のために、どこを直すか」が先ですよ。

では、一番分厚い参考書から登るのではなく、今の弱点から始めればいいんですか?

その通りです。志望校で必要な英語を確認して、土台・弱点・実戦の順に並べましょう。今日やることまで一緒に決めていきます!
【今回の真実】
高3英語は、単語から順番に全部終えてから長文へ進むものではありません。志望校の出題を先に確認し、毎日保つ土台と最大の弱点、実戦演習を並行すると、限られた時間でも迷わず進められます。
①高3英語は志望校から逆算して3本に分ける
②最初の1週間で英語の止まり場所を見つける
③春から夏は土台を直しながら長文を止めない
④秋からは過去問で必要な力だけを濃くする
⑤毎週の英語を固定枠・重点枠・確認枠で回す
⑥高3英語で伸びにくい3つの進め方を避ける
①高3英語は志望校から逆算して3本に分ける

「高3の英語は何から始めればいいですか?」と聞かれたら、私は最初に「どの入試で、英語の何が出ますか?」と聞き返します。
共通テストを使うのか、個別試験で和訳や英作文が出るのか、外部検定を利用できるのかで、必要な練習が変わるからです。
参考書を開く前に、志望校の最新の募集要項と過去問で、英語の使われ方を確認しましょう。
まだ志望校が決まっていないなら、候補を二つか三つ置いて共通する形式から始めれば大丈夫です。
ただし、実際に必要な科目・配点・出題形式は志望校と入試方式で変わるので、最新の募集要項を基準にしてください。
大学入試センターも、個別学力検査については志望大学の募集要項などで確認するよう公式Q&Aで案内しています。
確認できたら、やることを次のように分けます。
●毎日維持する土台:単語・熟語、短い音声
●いまの最大の弱点:文法、英文解釈、長文処理など
●志望校形式:共通テスト、和訳、英作文、要約など
高3英語は「毎日維持する土台」「いまの最大の弱点」「志望校形式」の3本に分けると、優先順位が見えます。
全分野を同じ時間だけ勉強する必要はありません。
今の自分に必要な一本を太くし、ほかを止めない程度に保つのがコツです。
②最初の1週間で英語の止まり場所を見つける

優先順位は、模試の偏差値だけでは決められません。
同じ点数でも、単語が分からない人と、読めるのに時間切れになる人では対策が違います。
ですから、点数が低かったことをそのまま「努力不足」と決めつけなくて大丈夫です。
答案は責める材料ではなく、次に直す場所を教えてくれる材料として見ましょう。
最初の一週間は、新しい教材を買わず、最近の模試や学校で解いた長文を一つ使ってください。
答えを見ずに時間を測って解き、丸付けの後に「どこで止まったか」を書き込みます。
止まり場所は「語彙」「一文」「長文」「技能」の4か所に分けて見ます。
語彙で止まる
知らない単語や熟語が多く、文の材料が集まりません。
この場合は、長文の冊数を増やすより、今使っている単語帳の「迷った語」を減らすのが先です。
一文で止まる
単語の意味は分かるのに、主語・動詞・修飾関係を見失います。
文法問題を追加するだけでなく、一文の構造を取り、訳や内容を自分で説明する英文解釈へ戻ります。
長文で止まる
一文ずつなら読めても、段落のつながりや設問の根拠を見つけられません。
段落ごとに「何の話だったか」を短くメモし、答えの根拠へ線を引く練習が必要です。
技能で止まる
リスニング、英作文、要約など、志望校が求める形で点を作れない状態です。
採点基準や模範解答と比べ、内容・構成・文法・時間のどこで失点したかを分けましょう。
一週間で完璧に直す必要はありません。
まず最大の止まり場所を一つ選べれば、次の教材と時間の使い方が決まります。
③春から夏は土台を直しながら長文を止めない

春から夏は、単語・文法・英文解釈の穴を直す大切な時期です。
河合塾Kei-Netは、1学期と夏休みを基礎力の定着、2学期を入試レベルの問題に対応する応用力をつける時期として案内しています。
詳しい年間の見通しは、受験生の1年間の過ごし方でも確認できます。
ただし、「単語帳と文法問題集が完璧になるまで長文は読まない」という進め方はおすすめしません。
入試の英文で知識を使えるか確かめなければ、覚えたつもりの穴に気づきにくいからです。
土台を直す日にも短めの長文へ触れ、覚えた単語や文法が文章の中で使えるか確認しましょう。
文部科学省の高等学校学習指導要領では、外国語の教材について「五つの領域」の言語活動を通して力を育てる考え方が示されています。
制度上の位置づけは、文部科学省の高等学校学習指導要領で確認できます。
文法も、用語を覚えるだけでなく、読んだり書いたりする場面で使える状態にしていきたいところです。
長文を解いた後は、正解数だけ見て終わりにしません。
●知らなかった語を単語帳へ戻す
●読めなかった一文の構造を取り直す
●設問の根拠を本文中で確認する
●翌日にもう一度、内容を説明する
一題から土台の穴を持ち帰ることが、春から夏の長文演習の役目です。
④秋からは過去問で必要な力だけを濃くする

秋以降は、過去問を「実力判定」ではなく「学習内容を決める資料」として使います。
最初から合格点に届かなくても構いません。
時間を測って解き、失点を語彙・一文・長文・技能へ戻せば、次の一週間で直すことが見えます。
過去問は、点数を見て落ち込むためではなく、志望校が求める力と現在地の差を測るために解きます。
大学入学共通テストの英語では、リーディングとリスニングの問題が公開され、大学入試センターは両者を同じ配点としています。
共通テストを利用するなら、リーディングだけを続けてリスニングを直前まで残すのは危険です。
反対に、個別試験で英作文が課されるなら、読む練習だけでなく、書いた答案を学校や塾の先生に見てもらう時間を計画へ入れます。
大学ごとに必要な形式は違いますから、みんなと同じ教材を同じ割合で進める必要はありません。
志望校にない形式を増やすより、出る形式で失った一問を次に取れるようにすることを優先しましょう。
⑤毎週の英語を固定枠・重点枠・確認枠で回す
年間計画は立派でも、今日の勉強が決まっていなければ動けません。
そこで一週間の英語を「固定枠・重点枠・確認枠」に分けます。

固定枠
単語・熟語と短いリスニングなど、少量でも切らしたくない勉強です。
通学前、昼休み、帰宅後など、始める場面まで決めておくと迷いません。
重点枠
今の最大の弱点へ、まとまった時間を使います。
文法なら間違えた単元、英文解釈なら読めなかった構造というように、範囲を小さくします。
確認枠
週末に長文や過去問の一部を解き、重点枠で直した力が本番形式で使えたか確かめます。
固定枠で英語を切らさず、重点枠で弱点を直し、確認枠で点になるかを見る。
この一周ができれば、「勉強したのに模試では使えない」というずれが減っていきます。
予定が崩れた週は、睡眠を削って全部取り返そうとしなくて大丈夫です。
できなかった量を翌週へ丸ごと移さず、固定枠を戻し、重点課題を一つだけ選び直しましょう。
⑥高3英語で伸びにくい3つの進め方を避ける

指導していると、高3になった焦りから参考書を一気に増やし、どれも途中になってしまう生徒さんをよく見ます。
頑張る気持ちが足りないのではありません。
むしろ、本気で間に合わせたいからこそ、目の前の全部に手を伸ばしたくなるんですよね。
やることが多すぎて、復習と確認まで届かないのです。
教材を増やす前に、今ある一冊で何ができるようになれば終わりなのかを決めてください。
特に避けたいのは、次の三つです。
●単語だけ、文法だけを長期間続けて実際の英文で試さない
●長文を解いた数だけ数え、読めなかった理由を残さない
●模試や過去問の点数だけ見て、次の一週間を変えない
英語は、単語・文法・読解・リスニング・表現がつながる科目です。
一つの弱点を直したら、必ず長文や志望校形式へ戻して使えるか確かめましょう。
もし今、何から手を付けるか迷っているなら、今日やることはシンプルです。
志望校の英語を確認し、最近の答案を一つ開き、最大の止まり場所を一つ選んでください。
高3の途中からでも、優先順位を決め直した日が新しいスタートです。
焦って全部を抱えるより、必要な一本を今日から太くしていきましょう!



