

成績を上げたいので、問題集を三冊買って全部やります!

その前に、机が問題集の駐車場にならない作戦を立てようか(笑)。まずは前回の答案を一枚出してみよう!

えっ、新しい教材より答案なんですか?

そう。成績上げ方の第一歩は、勉強を増やすことではなく、次に直す場所を一つ決めることなんだ。
【今回の真実】
成績を上げるには、勉強時間や教材を先に増やすのではなく、上げたい数字と直す原因を一つずつ決めることが先です。答案から一教科・一単元を選び、理解して終わらず、自力で解けるかまで確かめましょう。
①成績上げ方の最初は「何を上げるか」を一つ決める
②伸びない原因を3つに分ければ勉強法が決まる
③答案1枚から直す一教科・一単元を選ぶ
④成績を上げる4手順は理解・再現・混合・確認
⑤通知表を上げたいなら3観点まで見る
⑥続ける仕組みと保護者の支え方
①成績上げ方の最初は「何を上げるか」を一つ決める

「成績を上げたい」と思ったら、最初に勉強時間を増やしたくなりますよね。
でも、その前に確認してほしいことがあります。
あなたが上げたい成績は、次のどれでしょうか。
この三つは同じ成績と呼ばれますが、見る資料も対策も同じではありません。
定期テストなら答案と範囲表、通知表なら観点別評価と学校が示す評価材料、模試なら成績表の設問別結果を見ます。
定期テストが上がっても、提出物や発表など別の評価材料に課題があれば、通知表が同じとは限りません。
反対に、模試の判定がまだ動かなくても、基礎問題の正解が増えている途中かもしれません。
最初の一歩は「数学を頑張る」ではなく、「次の定期テストで数学の一次関数を直す」のように、数字と範囲を一つにすることです。
目標が一つなら、今日やることまで決められます。
②伸びない原因を3つに分ければ勉強法が決まる

勉強しているのに伸びないとき、「努力が足りない」で片づけるのは早いです。
頑張っている生徒さんほど、「もっとやらなきゃ」と量だけを増やして疲れてしまうことがあります。
今までの努力を無駄だったことにせず、向ける場所を調整していきましょう。
伸びない原因は、まず「入っていない」「一人で出せない」「評価材料がずれている」の3つに分けて考えましょう。
入っていない
単語、公式、用語、基本手順などの土台がまだ身についていない状態です。
この場合は教科書や授業プリントへ戻り、少量ずつ覚え直します。
一人で出せない
解説を読めば分かるのに、答えを閉じると解けない状態です。
必要なのは新しい説明ではなく、何も見ずに手順を再現する練習です。
評価材料がずれている
テスト勉強だけをして、レポート、発表、提出物、授業中の課題などを見落としている状態です。
通知表を上げたい場合に確認します。
原因が違えば、同じ一時間でもやるべき勉強は変わります。
指導現場でも、伸び悩んだときに教材を増やす生徒さんは少なくありません。
ところが、答案を見て「覚えていないのか、自力で出せないのか」を分けると、今ある教材だけでやることが見える場合が多いのです。
③答案1枚から直す一教科・一単元を選ぶ

ここで前回の答案を一枚、机に出してみましょう。
五教科全部を並べなくて大丈夫です。
まずは、いちばん上げたい一教科を選びます。
次に、間違えた問題へ次の印をつけてください。
●A:知識を忘れていた
●B:解説を見れば分かるが、自力では解けなかった
●C:時間不足、読み違い、計算や記入のミス
Aが多ければ教科書と学校ワークの基本へ戻ります。
Bが多ければ、解説を閉じて途中式や理由から書き直します。
Cが多ければ、時間を測り、問題文への印や見直す場所を決めて練習します。
ここで大切なのは、難しい問題から倒そうとしないことです。
優先するのは、少し直せば次に自力で取れそうな問題です。
たとえば数学なら、単元をまたいで十問選ぶより、同じ解き方を使う三問を解き直すほうが、できる・できないを確かめやすくなります。
数は目標ではなく、弱点を特定するための目安です。
④成績を上げる4手順は理解・再現・混合・確認
ここでは、成績を上げる流れを4手順に整理します。

手順1 理解する
教科書、授業ノート、学校ワークの解説を使い、「なぜその答えになるか」を確認します。
分からないところは、学校や塾の先生に質問して構いません。
手順2 何も見ずに再現する
解説を閉じ、白紙に最初から解き直します。
答えだけでなく、途中式、根拠、英単語のつづりまで自分で出せるかを見ます。
「分かった」を「一人でできた」に変えるのが、いちばん大事な部分です。
手順3 似た問題と混ぜて解く
翌日以降に、似た問題と別の問題を混ぜて解きます。
順番を覚えただけなのか、見分けて使えるのかが分かります。
手順4 結果で確認する
小テスト、再テスト、次の定期テストで同じ種類の問題が取れたかを確認します。
取れなければ、努力を否定するのではなく、A・B・Cの分類からやり直しましょう。
この4手順を一教科で回せたら、次の教科へ広げます。
初日から全教科を完璧にしようとしないほうが、修正点が見えやすいですよ。
⑤通知表を上げたいなら3観点まで見る

通知表を上げたい人は、テストの点数だけを見ないでください。
中学校の評定は、各教科の学習状況を総括して5段階で示すもので、観点別評価がその基本的な要素になります。
現在の各教科の観点別評価は、主に「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点です。
「思考・判断・表現」は、ペーパーテストだけでなく、論述、レポート、発表なども評価材料になり得ます。
文部科学省の学習評価の在り方ハンドブックにも、こうした評価方法の例が示されています。
だからこそ、テストだけを見て「なぜ評定が上がらないの?」と悩むより、通知表の三つの欄を見たほうが早いのです。
いちばん低い観点を一つ選び、その観点を先生が何で評価しているか確認しましょう。
学校ごと、教科ごとに具体的な評価材料や評定の決め方は異なります。
先生には「4にするには何点必要ですか」だけでなく、「この観点を上げるため、次の単元で何を改善すればよいですか」と聞くのがおすすめです。
質問が具体的なら、次のレポート、記述問題、振り返りなど、行動にできる答えをもらいやすくなります。
⑥続ける仕組みと保護者の支え方

良い計画でも、毎日重すぎれば続きません。
まず一週間だけ、取り組む時刻と場所を固定し、終わったら印をつけましょう。
時間よりも、「今日は英語ワークの間違い三問を、答えを閉じて解く」のように終了条件を決めます。
できなかった日は、根性の問題にせず、量が多すぎたのか、始める時刻が悪かったのか、問題が難しすぎたのかを直します。
保護者の方は、「何点だった?」だけで会話を終わらせないことが大切です。
点数を責められると思うと、答案そのものを見せにくくなる生徒さんもいます。
まず「一緒に次の一問を探そう」という立場に回ってみてください。
●どの問題なら次は取れそう?
●答えを見ずに解き直せた?
●先生に一つ聞くなら何を聞く?
保護者の役割は監督になることではなく、本人が次の一手を言葉にできるよう整理を手伝うことです。
勉強しても結果が動かない期間はあります。
それでも、空欄が減った、質問が具体的になった、解き直しを一人でできたという変化は、次につながる大事な材料です。
成績上げ方に特別な裏技はありません。
ただし、全部を一度に直す必要もありません。
まず答案を一枚出し、上げたい数字、直す教科、原因、今日の一問を決めてみてください。
その一問を何も見ずに解けたら、もう正しい方向へ進み始めていますよ!




●定期テストの点数
●通知表の評定
●模試の点数・偏差値・判定