



【今回の真実】
中学校の成績2は「努力を要する」学習状況を表しますが、全国共通の点数ラインはありません。通知表の3観点と自校の評価資料を照らし合わせ、2になった材料を教科担当へ確認するのが最短です。
①成績2がつく基準は「努力を要する」状況
この記事では、公立中学校の5段階評定を中心に説明します。
結論から言うと、文部科学省は成績2を、教科の目標に照らして「努力を要する」状況と示しています。
3は「おおむね満足できる」状況、1は「一層努力を要する」状況です。
つまり2は、何もできていないという意味ではなく、その教科で目標に届いていない部分があり、学習の見直しが必要だというサインです。
ここで大事なのは、2を能力や性格の判定にしないことです。
通知表が伝えているのは、あくまでその期間、その教科での学習状況です。
2を見て落ち込む気持ちは、もちろんあって当然です。
ただ、数字だけを眺めても次の一手は見えてきません。
2がついた教科の観点別評価と評価材料を分けて見ると、直す場所が具体的になります。
②テストが何点なら2になる?
「定期テストが40点未満なら2ですか?」と聞かれることがあります。
しかし、全国すべての中学校に共通する「何点なら2」という線はありません。
文部科学省は、評定を各教科の学習状況を総括したものとし、適切な決定方法は各学校が定めるとしています。
定期テストだけでなく、小テスト、レポート、実技、発表、ワークシート、振り返りなども、教科の目標への到達を確かめる材料になり得ます。
ここが少しややこしいところです。
同じ50点でも学校、教科、テストの難しさ、ほかの評価材料によって評定が同じになるとは限りません。
ネットで見つけた「30点台なら2」といった表を、自分の学校へそのまま当てはめるのは危険です。
また、「テストは平均点だったから3のはず」とも言い切れません。
現在の中学校の評定は、クラス内の順位だけで決めるものではなく、教科の目標にどこまで到達したかを見る評価だからです。
平均点との比較より、自分が各観点の目標へ届いたかを見る必要があります。
③成績を決める3観点を確認しよう
現在の中学校では、各教科の学習状況を主に次の3観点で見ます。
●知識・技能
●思考・判断・表現
●主体的に学習に取り組む態度
知識・技能は、用語や計算方法を理解し、使えるかを見る観点です。
定期テストや小テストの基本問題などが主な材料になります。
思考・判断・表現は、習った知識を使って考え、理由や過程を表せるかを見る観点です。
記述問題、レポート、発表、実技での工夫などに表れます。
主体的に学習に取り組む態度は、学習へ粘り強く取り組み、自分の学び方を調整しようとしているかを見る観点です。
単に挙手の回数が多い、ノートをきれいに書いた、というだけで決まる観点ではありません。
たとえば、返却された課題の間違いをそのままにせず、解き直しや振り返りで改善した過程も大切な材料になり得ます。
一方、期限に間に合わせるために答えを写しただけでは、提出済みでも学習の成果を十分に示せないことがあります。
通知表にA・B・Cの観点別評価が載っているなら、まずCの観点を確かめましょう。
ただし、A・B・Cをどのように5段階評定へまとめるかも学校が定めます。
ネット上の換算式で自己採点するより、学校の説明資料を見るほうが確実です。
④学校によって2の境目が違う理由
実際に学校公式サイトを見ると、評価方法を数値で公開している学校もあります。
たとえば府中市立府中第一中学校は、各観点でA・B・Cを判断する目標達成度と、5段階評定へ総括する達成度を公開しています。
同校では、評定2を20%以上、評定1を2に達しない場合とする基準が示されています。
さらに、すべての観点がCなら評定は2か1になると説明しています。
これは「2は必ず20点以上」という全国ルールではありません。
一つの中学校が、自校の判断方法を具体的に公開している例です。
教科によって評価する活動は違います。
数学なら計算だけでなく考え方を説明する問題、国語なら文章の根拠を使った記述、保健体育や美術なら実技や制作の過程など、目標の実現を確かめる場面が異なります。
その材料をどうまとめるかも含め、学校は評価方法を定めています。
ですから、友達の学校の基準や塾の先生が見た別の学校の基準は参考にはなっても、答えそのものではありません。
自分の学校・教科・学期の評価資料を確認して初めて、2の境目が見えてきます。
⑤自校の基準を確かめる3手順
さて、成績2になった理由をどう確かめればよいでしょうか。
私は、次の3手順で整理することをおすすめします。
手順1 学校の評価資料を探す
生徒手帳、学習の手引き、シラバス、年度初めの教科プリント、学校サイトを確認します。
「評価規準」「評価方法」「通知表の見方」「観点別評価」といった言葉が目印です。
見つからなければ、担任か教科担当へ「評価方法が書かれた資料はありますか」と聞いて大丈夫です。
最初に自校のルールを手元へ置くことが、遠回りを防ぎます。
手順2 3観点ごとの材料を並べる
通知表、定期テスト、小テスト、提出物、レポート、実技課題、振り返りを机に並べます。
そして、どの資料がどの観点を見ていたのか、先生の説明や採点欄から分けてみましょう。
ここで「テストが悪かった」だけで終わらせず、知識問題、記述問題、提出後の直しなど、評価材料のどこで目標に届かなかったかまで見ます。
手順3 教科担当へ3つ質問する
資料を見ても判断できない部分は、次のように質問します。
●2になった主な理由は、どの観点ですか
●その観点は、どの課題やテストで評価されましたか
●次の評価までに、どんな成果を示せば3へ近づけますか
「どうしたら成績が上がりますか」だけでも悪くありませんが、観点と評価材料を指定すると、先生も具体的に答えやすくなります。
成績2は軽く見てよい数字ではありませんが、ここから直す場所を教えてくれる数字でもあります。
基準を推測して落ち込むより、自校の資料と実際の評価材料を確認したほうが、次の行動はずっとはっきりします。
2がついた理由が分かれば、対策は「もっと頑張る」から「この観点の、この課題を直す」へ変わります。
焦らなくて大丈夫です。
一つずつ3への道筋を作っていきましょう!









